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スワロフスキーのハンドメイドユース向け供給縮小に関するプチまとめ

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「スワロフスキー・クリスタル」といえば、プロフェッショナルな衣装デザインはもちろんハンドメイド品ディーラーにも愛用されているストーン・ビーズブランド。この重要なパーツが一般DIY向けには供給されなくなるかもしれない…という話題が今月20日ごろから流れています。

国内での動き

きっかけになったのは、日本グルーデコ協会(JGA)による2月20日の発表(Amebaブログが使用されていますが同協会公式の声明です)。

ここでは

  • 2021/10/01以降、スワロフスキー社はDIY・ネイルデコレーション向け小売業界へのクリスタル提供ビジネスから撤退する
  • 同日以降、同社ブランドロゴの使用は禁止する

とスワロフスキー社からJGAへ通達があったことが明らかにされています。

JGAはスワロフスキーをメインに使用する認定講師講座などを展開してきたので、客観的に協会のありかた自体見直しを迫られる事態になっています。

このあたりについては「日刊ゲンダイDIGITAL」も記事にしているので、参考になると思います。

JGAとしては今後、

  • プレシオサ社(チェコビーズ系の大手)などへと部材を切り替えていく

という方針を明らかにしています。

いっぽうで、ハンドメイド部材としてスワロフスキー・クリスタルを多く販売している貴和製作所は、25日付で以下のような見解を発表しています。

まとめると、

  • スワロフスキー社は限られた企業にのみクリスタルを提供していく
  • 貴和製作所は2021年10月以降も継続して販売していく予定である
  • 今後なにか情報があれば店頭などでお知らせする

ということで、スワロフスキーの継続取り扱いに期待をもたせる内容です。声明文のとおりであることを信じたいですが、こればかりは供給側の胸先三寸で決まることなのでなんとも言えないですね…。

スワロフスキーのグローバル戦略

ところで、今回どうしてスワロフスキーが「DIY系への供給ビジネスから撤退」に踏み切ったかというと、同社のグローバル戦略再編について報道したWWDの翻訳記事が参考になります。

文中でのことばを借りると、同社は自社製品が「ファストファッションでもラグジュアリーでもない中途半端なポジションにある」ことを問題視しており、「手の届くラグジュアリー」へと市場の中で再ポジショニングすることを狙っているのがわかります。

当然ながら「ラグジュアリー」にするためには、パーツとしての供給を絞り、なおかつエンドユーザーに渡る製品の質・価格コントロールが必要になります。DIY市場からの撤退はそのための戦術のひとつだ、というわけですね。戦略との整合性はきわめてとれています。

考察と教訓

ただ、戦略に対して整合性のとれる戦術をとれば、企業がかならず成長できるかというとそんなことはありません。丁稚さん個人の意見・考察としては、「伸び悩むからといってハイターゲットにシフトする」という選択肢をとってうまくいった企業はほとんど見たことがないので、スワロフスキーだいじょうぶかなァ…と心配になるところです。

いっぽうで今回の件については、我々ハンドメイドに携わったりディーラー業を営む者にとって不変の教訓を見せてくれているような気もします。

それは「特定の企業(に限らないのですが)に依存する構造は瓦解しやすい」ということです。スワロフスキーはステキかもしれませんが、そのネームバリューに依存せず、ふだんからチェコビーズや…あるいはほかの代替物にも! アンテナを向けて自分たちのクリエイティビティを不断に成長させておくことが大事なのかもしれませんね。

IT業界だとこういうのは「ベンダーロックイン」として「やばいからやめとけ」というアンチパターンのひとつになっているのですけれど(そしてえてして抜け出せない)。ハンドメイドやディーラー業でも、ふだんから心がけておいたほうがいいんだなあ…とあらためて思いました。

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